2013/12/14

はぐれ学生の例 その1 - はぐれ学生 Advent Calendar 2013

はぐれ学生 Advent Calendar 2013 14日目の投稿です
はぐれ学生の概要はこちらを参照してください。

こんにちは。はぐれ学生の @hktechno です。
現在、筑波大学 情報科学類 在籍5年目で4年生です。
僕が、はぐれるに至った経緯と、はぐれてみた感想を書いてみたい思います。

長いです。読むの大変です。


筑波大学に入学した経緯

まず、僕は本来筑波大学に入学できるほど、基本スペックが高くありません。

中学校の成績は、テスト勉強などしなかったし塾にも行ったことないので、年を重ねるごとに頂上から転げ落ちていきました。(ピークから7合目ぐらいで踏みとどまってはいたが...) 毎日パソコンばかりやっていたので、親に怒られまくりでした。

高校受験は、まず高専を受けましたが大して受験勉強もしなかったので落ちて、地元の工業高校に入学しました。学力的には、お前がそこいくの?みたいな感じでしたが、普通高校へは絶対にいきたくなかったので、担任の先生にもいろいろ協力して親を説得しました。 工業高校といっても、その中では一応レベルが高い方で、僕が所属していた情報技術科は倍率が2倍超してたり(県立高校で一番だったときもある)、中学校のテストで平均点では入れない感じです。とはいえ、動物園なので、服装は荒れてるし、いわゆる DQN が多くて楽しく、自由な感じでとてもよかったです。

工業高校に進学したおかげで、授業はプログラミングや電子回路の授業がたくさんありますし、プログラミングコンテストやロボット系のコンテストなども、出場する事ができました。自分からやらなくても、担任が誘ってくる感じでした。(もちろん希望して出る事もあった) とても良い環境でした。しかしながら、勉強という点では、驚く事に数学は I,II まででしかやりません。3年生で、進学希望の人は III を、就職希望の人は A を、の用にコース分けがあり、僕は III を受けましたが、ABC はやってません。(希望者は補修があったが、まともに受けてなかった) 専門科目が多いので、数学を詰め込む時間がなく当然の事ですが、大学に来てからは苦労する事になります。しかも、その環境にあって、僕の数学の評定平均は 2.3 でした。

高校は楽しく過ごし、進学か就職かを考える時期になりましたが、情報技術科は進学が多かったです。工業高校だと、就職も決して悪くない進路なのですが(地元に日立製作所という大企業を抱えている事もあり)、もっとコンピューターを勉強したかったので、進学する事にしました。

ここで、筑波大学に巡り会います。AC 入試という制度があるのは、ご存知の方も多いと思います。高校入る前は全く眼中にない選択肢でしたが、知り合いや先生の勧めもあり、受けてみる事にしたら、合格しちゃったみたいな感じです。毎年数人は国立大学に進学する人がいましたが、それでも筑波に行く人は初めてだったようです。まあ一般じゃないけど。

入学後の留年

AC 入試は、10月ぐらいに合否が決まってしまうので、そのあと暇になります。僕は、思う存分自由な生活を楽しみました。数学やらないとヤバい、とみんなにいわれていたのに。

実際、受ける前から入学して、4年で卒業できるかどうか、かなり自分でも疑問視してました。それでも数学はコンピューターやる上で大事な事だとわかっていたし、自分で挑戦の意味も込めて、あえて楽ではない道を選んだのも確かです。それだけ、筑波大学の環境が魅力的に見えたのかもしれません。

入学してみて1年目、当たり前ですが、解析学I についていけませんでした。coins09 の AC は数学ができない人がそろっていて、ごく少数を除きみんなで落としました。作戦会議をして、その年の解析学IIと線形代数I,IIをあきらめる事にしました。その代わりに、ほかの面白そうな授業を取りました。

2年目、やっぱりだめでした。ただ、線形代数は、数ABC やってないのに、割とできて I はとれました。進級するにあたり、2年で専門基礎科目(数学系単位)16単位の壁があるのですが、とれなくて留年が確定しました。

3年目、何と、解析I,II と線形代数II、両方とる事ができました。無事進級できました。数学に苦しんだ3年間でした。しかし、ちょっとだけ数学ができるようになった気分になりました。(気分だけ)

4年目、進級で引っ掛かっていたのは数学系の単位だけだったので、取る授業がほとんどなくて比較的暇でした。この頃、並行して未踏をやっていました。その他に、未踏つながりである事を手伝ったりもしてました。

5年目、やっと卒業できそうです ← 今ここ
来年は大学院へ進学する予定です。留年しておいて、まだ大学にいるのか、って思うかもしれませんが、まだやりたい事があります、開発したい物があります。許されるのなら、まだ大学にいたいです。それと、僕の進みたい分野は修士や博士を比較的必要にされているようなので、将来的にも進学しておこうと思いました。

留年して思った事

留年した人によくあるのが、留年したからこんな事ができた、みたいな事がありますが、僕は留年する事はおすすめしません。僕は、留年して余った時間で Open Design Computer Project で同じように留年した @cpu_labs と一緒に CPU とその開発環境を作り、未踏IT人材発掘・育成事業に採択され、スーパークリエイターに認定された訳ですが、それでも留年してよかったとは思いません。

本来であれば、「はぐれ学生してたらスーパークリエイターになってしまった」とか書けばいいのかもしれませんが、それは何も自慢になりませんし、格好悪いと思います。

留年は、時間とお金が犠牲になります。その対価とか考えてはいけないのかもしれませんが、留年したからといって実績や成果が出せる訳でもありません。なので、あえて留年してもいい事はないと思います。そして、留年してもいいや、って思うのもとてもよくない事ですし、留年しないで実績や成果を出す事が、当たり前ですが一番いい事なのです。はぐれ学生が、かっこいいとは僕は思いません。

ただ、考え方を変えて、もしあなたが留年してしまったなら、その時間をどのように活用するかはよく考えてみるべきだと思います。健康な体と精神のままで留年してしまったのなら尚更です。そこまで、気張らなくてもよいとは思いますが、惰性で過ごすのもよくないと思います。

それと、時間が欲しいのなら、大学院へ入ってから留年したほうがいいのではないかと思います。さらにいえば、単位はきちんと取って休学した方がいいと思います。学部で留年するのは無駄です。特に、できる人なら研究室に入ってからの方がいいです。得られる物が違うと思います。
(とはいえ、研究室でやる気を失ってしまう人もいますが、まあ相性ってやつかもしれません)

ただし、留年・休学したくないからといって、挑戦しない、周りに流されて生きていくだけではつまらないです。僕は、挑戦しにこの大学に入学して、ある側面から見れば失敗した訳ですが、楽しかったです。とはいえ、挑戦とはぐれないの両立は難しいです。何も考えないでとりあえず突き進んでみるのもよいかと思います。

まとめ

数学はちゃんと勉強しよう。
自由に生きていると、遠回りする事もある。

下らない文章を読んでいただきありがとうございました。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして、読ませていただきました。
率直な意見が書かれていて、同じような状況の私にも共感してしまいました。頑張ってください。